恋よりも大事なこと

さてさて、昨日のお話：2年前のカズキさんの話は、
実はまだ終わっていないのです。

だって、ご飯を食べただけで終わったとは言え、
悪い印象は持ってなかったですから。

ガツガツと飢えてないだけ、好印象と言ってもいいくらい。

ダンナの出張が多かったおかげで、ほぼ毎週、一緒に
夕飯をご一緒していました。

カズキさんの元カノの話はあまり聞いてなかったのですが、
話の流れで訊いちゃったんですよね、なんで別れたのかを。

「彼女と別れて3ヵ月くらいって言ってたっけ？？
　　　なんで別れちゃったの？って訊いちゃっていいんかな」
「ん、あー・・・・」
「ん？なんか、言いにくいこと？」
「いやいや、そんなことないよ・・・浮気が原因かな」

ま、原因としては、多いものでしょうね。

「そうなんや・・・彼女の？？」
「あ・・・いや・・・俺の・・・」
「あらら。でも、あんまり浮気するようなタイプに見えへんのにね」
「ん、確かに、あんまりないかも・・・って自分で言うなってね(^^;」

ホントにマジメそうないい人っぽいんですよね。

「そんなカズキさんが、浮気しちゃったきっかけは何なん？」
「ん・・・付き合って3年くらいやってんけどね。
　　　仕事が忙しくてあんまり会ってなかったり、
　　　なぁなぁの関係で、ちょっとマンネリ気味やったり」
「で、ちょっと刺激が欲しくて・・・みたいな？」

よくあるパターン・・・ですかね、やっぱり。

「そやね・・・んで、出会い系サイトに手を出して・・・」
「あ～、そうなんや・・・どんなコやったん？」
「大学生って言ってた・・・22歳のコ・・・」
「わっかいコやん！！ほんでほんで？？」

すっかり知りたがりモードな私。

「あ・・・っと・・・飲みに行って、そのまま勢いで・・・て感じ」
「ありがちやわ・・・でも、彼女にはなんでバレたん？」

そです。浮気を実行しちゃっても、バレなきゃ
別れる別れないになりませんから。

「そのホテルの会員カード持ってて・・・」
「隠してなかったん？？」
「財布に入れてて・・・一緒にご飯食べたときに、たまたま
　　　お金払っといてって財布渡したときに、見つけられた・・・」
「それは自分が悪いわ・・・」
「そんなこんなで、いろいろ溜まってたモノもあったみたいで
　　　結局、別れてもうた・・・ってわけ」

自業自得なドツボパターンですわね。

「男の人が浮気しちゃうのも、ある程度しゃーないんかなって
　　　思うけど、あからさまにするとか、バレたりするとか、
　　　そーゆーのはアカンと思うわ・・・。」
「そうなんや・・・けっこう浮気に寛大なほう？」
「ん～～～、するならコッソリ・・・バレへんように・・・
　　　って感じかな・・・ってお前が言うな、って感じよね(笑)」
「アハハ・・・こっそり浮気してる？」
「ん、まぁ・・・たまに、かな。今日やって、こっそり・・・やしね」

すっかり、お誘い下さいねモードな私ですわ。

「そう言えば、その女子大生とはどうなったん？」
「あ～・・・就職先が東京って言ってて、それっきり・・・」
「じゃあ、一回きりやってんね・・・
　　　大阪での思い出に、って感じなんかなぁ・・・」
「そうやったんかもね・・・俺は痛い目見たけど・・・」
「それは自分のせいやん(笑)」
「はい、そうです・・・その通りです・・・」

あんまりいじめちゃダメですよね。

「それから他のコとは会ってないん？私以外に」
「あ～・・・うん、会ってないよ。」
「ふ～～ん、そうなんや～～」

このときの私は、きっとニマニマとしていたに違いありません。

食事を終えてお店を出てから、カズキさんが切り出しました。

「まだ時間大丈夫？？」
「うん、ちょっとぐらいなら遅くなってもいいよ」
「あの・・・じゃあ・・・・ホテルへ・・・いいかな？」
「いいよ」

頷いた私に、少し緊張しつつも冷静な顔のままで

「じゃあこっち・・・」

とホテルへと向かわせるカズキさん。

最初に会ってから、足掛け1ヶ月ほど、すでにすっかり梅雨も明け、
夏の盛りの8月になっていました。

浮気がバレて別れてしまったことが、彼氏がいる(イヤ、ホントは
ダンナですが)私を誘うことを躊躇う原因だったんでしょうかね。
そんなマジメなカズキさんでした。

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