キスする前に

さて、昨日サボってしまったので、さっそく続きを！
不動産屋タケさんとのデート：ドライブデート編です！

タケさんの車は確か、TOYOTAのヴィッツでした。
コンパクトカーは街乗りにも便利で私は好きです。

とは言うものの、駅まで歩いて10分以内だし、大阪市内に出ても車は要らないし、
普段の買い物も車がなくても済むので、我が家に車はありません。

タケさんの運転する車の助手席に乗り込み、駐車場から出た車は空港方面へと走っていました。

中央に中国自動車道を挟む、大阪中央環状線という大きな道路です。
片側４～５車線ありましたっけ？？
大阪北部の池田市から東部の東大阪市、南部の堺市へと大阪市外を
環状に結んでいます。

んな細かい話は、大阪の人には常識ですね・・・ハイ、話に戻ります。

大阪の人なら当然ご存知のコトなんですが、空港周辺にはビジネスホテルはもちろん、
ラブホテルが点在しています。
おそらく・・・イヤ、確実にラブホの数のほうが多いです。
デートスポットなんでしょうね。

夜となると否が応にもラブホの灯りが目に入ってきます。
だから私は、思わず口にしてしまっていました。

「この辺ってホテル多いよねぇ」
「デートスポットなんやろね」

実際、敷地の境界間近のところが、離発着する飛行機を見られる絶好の
ビュースポットとして、雑誌やネットなど随所で紹介されています。

空港の西側には大阪府と兵庫県の境界にもなる猪名川も流れていて、
まさに空港周辺はデートスポットに！！

余談ですが、大阪・伊丹空港の「伊丹」は兵庫県伊丹市の「伊丹」です。
空港のターミナルビルは大阪なんですが、滑走路の大半は兵庫県なのです。

タケさんの車はラブホの灯りを映しながら、空港へと・・・。

「って、飛行機乗るわけちゃうし、ターミナル方面行っても意味ないやん」
「あ、確かにそやな」

何も考えずに走っていたので、ターミナルビルを眼前にしてそのまま
ビルの横を走り抜けていきました。

「確か、北っかわの土手から滑走路見えたと思うよ」
「あ、ホンマに？どっちかよーわからんけど」
「んと、たぶんこっちのほう・・・」

と、空港ターミナルビルから離れて行く途中で、前の車が道沿いの
ラブホへと入って行ったのです。

「あ、入りよった・・・」
「一緒に着いて入ったらアカンねんで・・・」
「ははっ、入らへん入らへん」

と言いつつ、少し上擦った声のタケさんでした。

とか何とかくだらないやり取りをしつつ、どうにか土手沿いの道へ到着。
灯りに照らされた広い滑走路を眺めつつしばしの休息を・・・。

「飛行機ってまだ飛んでるかな？」
「ん・・・どうなんやろ・・・」

伊丹空港の発着時間は21時までとオトナの事情で決まっています。
既に時間は、もうちょっとで21時になろうとしている頃でした。

残念ながら、ターミナルビルに横付けされた飛行機しか見られませんでしたよ。

しばらく沈黙が続いた後、その沈黙を破ったのはタケさんでした。

「さて・・・どうしましょ・・・」
「ん～～、どっか行きたいトコある？？」
「そうやな～、あんま知らんしな～～、んん～～～～～」

微妙なムードが漂う中、私から線引きをしてしまいました。

「ホテル・・・なんか言うたらアカンよ」
「えっ・・・あ、いや、それはさすがにな・・・アカンやろ・・・」

とか何とか言っちゃって、声は明らかに動揺してるっつーの！

「でしょ～、もうこんな時間やしねぇ～・・・明日仕事は？何時から？？」
「ん？あっ、っと・・・仕事あるよ・・・9時からいつも通り」

ホテルへ行かない理由が「まだそーゆーのは」なのか、そのまんま文面通りに
「時間が遅いから」なのかをぼかしたまま、私は仕事の話へと切り替えたのでした。

「んじゃ、もうちょっとドライブしてから帰ろっか・・・？」
「OK。どこ向かいましょ？」
「あっちの山にね、展望台あるねん・・・六甲はさすがに遠いからそこ行ってみる？」

私は車の後方の山手を指差しながら、そう答えていました。

・・・大阪北部を良くご存知の方はお分かりでしょう・・・

池田の五月山へと向かったのでした・・・でも、ここ、六甲ほどキレイじゃないです。

「けっこうキレイやん」
「六甲とか生駒ほどじゃないけどねぇ・・・人は少ないけどね(^^;」

展望台にて並んで立っていたのですが、タケさんが柵に肘を置いて
少し前屈みの姿勢で夜景を眺めていました。

ちょうど身長差を埋めるように、タケさんの頭と私の頭が並んでいました。

私は、タケさんの肩に手を添え、そのまま顔を彼の横顔に近付けながら
一気に頬に口付けをしたのでした。

「今日はアリガトねっ！」
「あ・・・いえいえ、どういたしまして・・・」
「じゃ、帰ろっか」
「ん・・・」

少しびっくりした顔をしたタケさんに、私は背を向けて少し足早に車のほうへ
向かって歩き始めました。
しばらく立ち尽くしていた彼は、私の後ろをゆっくり歩いていました。

車は山道を下り、再び市街地を走り抜けていき、地下鉄御堂筋線を挟んで走る
新御堂筋を大阪市内方面へ向かい、私は某駅で降ろしてもらったのでした。

「道分かるかな？？ここからなら吹田じゃなくて○×インターのほうが
　　近いと思うけど・・・」
「ん、大丈夫。標識見てたら、京都に絶対行けるし、迷うことはないよ」
「じゃあ、また・・・今度は京都の紅葉やね」
「ん、了解。じゃあ・・・おやすみ」
「おやすみ～～」

胸元で小さく手を振りながら、走り去るタケさんの車を見送り、
駅の改札口へ向かい、家路に着いたのでした。

・・・はい、純愛モードな二人です。
しかし、ちょっと小悪魔モードな私です。

次のデートは、シーズン真っ只中の京都紅葉デート。
エロ路線へ行くことはあるのか！？


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