想い出を閉じこめて

コウイチくんとは、高校で離れ離れになってから、その後の消息を
知らなかったのですが、東京の大学へ進学していたそうです。

実は、私の故郷は田舎なので、みんなで集まって遊ぶとなると、
隣町へ出ないといけないのです。

慣れないスーツ姿の男の子たち、艶やかな晴れ着姿の女の子たちは、
みんな、一度家に帰って、再び街へと繰り出すのです。

そんなわけで、みんなが集まって、久々の同窓会になったのでした。

コウイチくんとは、少々気まずいながらも、お互いの都会での
学生生活の話やら他愛のない話やらをしていました。

そんな中で、ふと口にしてしまったんですよね。

「東京で・・・彼女できた？」
「あ、あぁ・・・いたけど、別れた」

ま、こーゆー時、いても「いない」って言うのかも、ですね。＞男性諸君

「東京の子って、やっぱ可愛いんだろうなぁ・・・
　　洗練されてるっていうか、雑誌に出てきそうっていうか・・・」
「どうやろ・・・タイプにもよると思うよ。渋谷におる子らは、
　　大学で見る子とはまた違うしな・・・」
「そっか・・・そうやんなぁ・・・」
「でも、大阪も都会やん・・・なんか○○さんも感じ変わったし・・・
　　だいぶん都会っぽくなってるやん」

そうか、そういえば、コウイチくんって、いつも苗字で呼んでたな・・・。
ちょっと懐かしいかも。

「そうやね・・・大阪弁もだいぶんうつってきたし・・・
　　・・・昔より可愛くなった？」
「バカか・・・そんなに変わってないって・・・」

盛り上がってる風で、実は、なんだかよそよそしい二人です。
ま、そりゃそうか・・・5年ぶりだし、
エッチも未遂のまま自然消滅で別れちゃってるし。

まぁ、ずっと二人っきりでいたわけじゃないので、そんなに話し込んで
ないんだけど。

1次会から2次会のカラオケへ・・・。
そして、もう遅いからと帰る人たち、3次会へと流れ込む人たち。

私も、2次会が終わってそのまま帰ろうしてたところで、
コウイチくんに声をかけられました。

「よかったら、どっか飲み行かない・・・？ちょっと話したいし・・・」

後ろから肩を叩かれて、唐突にそう言われたので、少しびっくりして
振り返ってしまいました。
・・・が、

「あ、うん・・・いいよ」

即答でした。

ま、展開は読めちゃうでしょうけど、続きは次回

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